「また電気代が上がった…」毎月届く検針票を見て、ため息をついていませんか。共働きや子育てで忙しい毎日の中、家計への負担は少しでも減らしたいもの。特に2025年は、政府による電気代の負担軽減策が縮小・終了し、再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)の単価も引き上げられるなど、電気代が本格的に上昇する局面を迎えています。
しかし、ご安心ください。電気代は、日々の暮らしの中にある「ちょっとした工夫」で、着実に減らすことができます。
この記事では、家計管理のプロの視点から、誰でも今日から実践できる具体的な電気の節約術を徹底解説します。無駄な支出をなくし、賢い電気の使い方を身につけて、家計と未来を守りましょう。
なぜ今、電気の節約が必要なのか?2025年の電気料金の現状
節約術をご紹介する前に、なぜ今、真剣に電気の節約に取り組むべきなのか、その背景を知っておきましょう。
- 政府の負担軽減策の終了: 2023年から続いていた電気・ガス料金の補助金が、段階的に縮小・終了しました。これにより、以前と同じ使用量でも請求額が上がっています。
- 再エネ賦課金の値上げ: 2025年5月分から適用される「再生可能エネルギー発電促進賦課金」の単価は1kWhあたり3.98円と、前年度の3.49円から上昇しました。一般的な家庭(月400kWh使用)では、この項目だけで年間約2,000円以上の負担増となります。
こうした状況だからこそ、家庭内での主体的な節電努力が、家計を守る上でこれまで以上に重要になっているのです。
まずは敵を知る!家庭で電気を最も使う家電トップ3
効率的に節電を進めるには、まず「何に最も電気を使っているか」を知ることが重要です。経済産業省の調査によると、家庭における電力消費の割合は以下のようになっています。
- エアコン(冷暖房): 約34.2%
- 冷蔵庫: 約14.6%
- 照明: 約9.6%
つまり、このトップ3の家電の使い方を見直すことが、電気代節約への一番の近道となるのです。
【効果大】消費電力トップ3の徹底節約術
それでは、具体的に消費電力の大きい家電から、節約術を見ていきましょう。
エアコン(冷暖房)の節約術
家庭の電力消費の主犯格であるエアコン。使い方次第で電気代は大きく変わります。
節約アクション | 具体的な効果とポイント |
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設定温度を調整する | 冷房は1℃高く、暖房は1℃低く設定するだけで約10%の省エネに。環境省は夏の室温28℃、冬の室温20℃を目安として推奨しています。 |
「自動運転」を活用する | 「弱風」で使い続けるより、室温を設定温度まで一気に調整し、その後は微風でキープする「自動運転」の方が、最も効率的で電気代の節約になります。 |
フィルターをこまめに掃除 | 2週間に1回のフィルター掃除で、冷房時で約4%、暖房時で約6%の消費電力削減効果があります。ホコリが詰まっていると、無駄な電力を使ってしまいます。 |
サーキュレーターを併用 | 冷たい空気は下に、暖かい空気は上に溜まる性質があります。サーキュレーターで空気を循環させ、部屋の温度ムラをなくすことで、エアコンの設定温度を1〜2℃緩和しても快適に過ごせます。 |
冷蔵庫の節約術
24時間365日稼働している冷蔵庫も、使い方次第で大きな節約が可能です。
節約アクション | 具体的な効果とポイント |
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設定温度を「中」にする | 周囲の温度にもよりますが、設定を「強」から「中」に変えるだけで年間約1,600円程度の節約効果が期待できます。夏場以外は「弱」でも問題ない場合が多いです。 |
壁から離して設置する | 冷蔵庫は、周囲の熱を放出することで内部を冷やしています。壁にぴったりつけて設置すると放熱効率が下がるため、上部と両側面に適切なすき間を空けましょう。 |
食品を詰め込みすぎない | 冷気の通り道がなくなると、庫内を冷やすためにより多くのエネルギーが必要になります。7割程度の収納を心がけ、見通しを良くしましょう。(※冷凍庫は逆に隙間なく詰めた方が効率的です) |
ドアの開閉は短く | ドアを開けている時間が長いほど、庫内の温度が上がり、再び冷やすために余計な電力を消費します。開閉は最小限の回数・時間にとどめましょう。 |
照明器具の節約術
家庭の照明をLEDに交換することは、最も簡単で効果の大きい節約術の一つです。
- 蛍光灯シーリングライト → LEDシーリングライト: 消費電力を約50%削減!
- 白熱電球 → 電球形LEDランプ: 消費電力を約86%削減!
初期費用はかかりますが、LEDは寿命も約40,000時間と非常に長いため、交換の手間と長期的な電気代を考えれば、圧倒的にお得です。また、使っていない部屋の電気をこまめに消す習慣も徹底しましょう。
【根本改善】契約プランの見直しと家電の買い替え
日々の節約術とあわせて、より抜本的な見直しも検討しましょう。
電力会社の乗り換えで基本料金から見直す
2016年の電力自由化以降、私たちはライフスタイルに合わせて電力会社を自由に選べるようになりました。
- 日中の在宅が少ない家庭: 夜間の電気料金が安いプラン
- オール電化の家庭: 専用のお得なプラン
など、電力会社によって様々な特色があります。「エネチェンジ」や「価格.com」といった電力会社の比較サイトを使えば、ご家庭の電気使用量に合わせたシミュレーションが簡単にできます。一度見直すだけで、毎月の電気代が数千円安くなるケースもあります。
10年前の家電は買い替えで大幅節約
「まだ使えるから」と古い家電を使い続けていませんか?実は、それが電気代を高くしている原因かもしれません。家電の省エネ性能は年々飛躍的に向上しています。
- 冷蔵庫: 10年前のモデルと比べ、最新機種は約28〜35%の省エネ。
- エアコン: 10年前のモデルと比べ、最新機種は約15%の省エネ。
最新の省エネ家電は高価ですが、毎月の電気代削減分を考えれば、数年で元が取れることも珍しくありません。長期的な視点で買い替えを検討する価値は十分にあります。
【上級編・東京都の方向け】太陽光発電という選択肢
東京都では、太陽光発電システムや蓄電池の設置に対して、手厚い補助金制度(2025年度も実施)があります。例えば、既築住宅への太陽光発電設置で最大45万円など、区市町村によってはさらに上乗せの補助も。初期費用はかかりますが、日中の電気を自給自足し、余った電気は売電することも可能です。長期的な視点での究極の電気代対策として、検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ:賢い電気の使い方で、家計と未来を守ろう
電気代の節約は、難しいことではありません。「設定温度を1℃変える」「使わない電気は消す」「フィルターを掃除する」といった、今日からできる小さな行動の積み重ねが、年間数万円という大きな成果につながります。
まずはご家庭の電力消費の大きいエアコンや冷蔵庫から見直し、できることから始めてみましょう。賢い電気との付き合い方が、あなたの家計を、そして地球の未来をも守る第一歩となるはずです。
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