家計を守ろうと一生懸命節約に取り組んでいるのに、「思ったように貯金が増えない…」「逆に不便になったり、無駄が増えたりしている…」と感じていませんか?
実は、よかれと思ってやっている節約の中には、長期的に見るとかえって損をしてしまう、家計管理のプロから見て「やってはいけない節約術」が存在します。この記事では、30〜40代の共働き世帯や子育て家庭が陥りがちな失敗例を挙げ、家計の本質を見抜くための正しい節約の考え方を解説します。
1. 「変動費」ばかりを切り詰める節約
多くの人がまず手をつけがちなのが、日々の食費や娯楽費、日用品代といった「変動費」です。しかし、変動費の節約には限界があり、精神的な負担も大きいという問題があります。
やってはいけない節約の例
- 毎日1円でも安い食材を求めて、遠いスーパーまで行く
- ガソリン代や交通費がかかり、時間の無駄にもなります。
- まとめ買いをして近所のスーパーで済ませる方が、トータルで安くなることがほとんどです。
- 子どもの習い事を「贅沢だから」とやめさせる
- 子どもの成長機会を奪うことになり、将来の自己投資を妨げる可能性があります。
- 本当に必要な教育費かどうかを判断し、家計全体で捻出する方法を検討すべきです。
- 外食やレジャーを完全にゼロにする
- 夫婦や家族のコミュニケーションが減り、ストレスが溜まります。
- 我慢の反動で、高額な買い物をしたり、暴飲暴食をしてしまったりと、かえって無駄な出費につながることがあります。
プロからのアドバイス
変動費の節約は、「我慢」ではなく「工夫」が大切です。たとえば、外食を完全になくすのではなく、ランチをお弁当にする、週1回に限定する、などのルールを設けることで、ストレスなく続けることができます。
2. 目の前の安さに飛びつく「見せかけの節約」
「期間限定セール」「ポイント○倍デー」といった言葉に踊らされ、必要ないものまで買ってしまった経験はありませんか?一見お得に見えても、家計全体で見るとマイナスになっているケースがあります。
やってはいけない節約の例
- クーポンやポイントのために、不要なものを買う
- 「このクーポンを使うためだけに、特に欲しくないものを買ってしまった」という経験はありませんか?
- 割引額以上の無駄な出費になっているため、本末転倒です。
- 「ポイント還元率が高いから」と、ポイントカードを何枚も作る
- 多くのポイントカードやアプリを管理する手間がかかる上、ポイントが分散してしまい、なかなか貯まらないという事態に陥りがちです。
- 使うお店を絞り、ポイントカードを1〜2枚に集約する方が効率的です。
- 安いからと、質の悪い日用品を大量に買う
- すぐに壊れたり、使い勝手が悪かったりして、買い替えが必要になることがあります。
- 結果的に高いものを1つ買うよりも、総コストが高くつく場合があります。
プロからのアドバイス
安さやポイント還元に惑わされず、「本当に必要か?」を自問自答することが重要です。買い物の際は、事前にリストアップし、それに従って購入することを徹底しましょう。
3. 「固定費」を見落とす節約
家計改善の効果を最も早く、そして永続的に感じられるのは固定費の見直しです。しかし、多くの人は「面倒そう」「大変そう」と感じ、なかなか手をつけることができません。
やってはいけない節約の例
- 「乗り換えが面倒だから」と、高いスマホ料金を払い続ける
- 格安SIMへの乗り換えは、一度手続きをすればその後の支払いが永続的に安くなります。
- 年間で数万円〜十数万円もの節約効果が見込めます。
- 「保障内容がよくわからない」と、高額な保険料を払い続ける
- 子どもの独立や住宅ローンの完済など、ライフステージの変化に合わせて必要な保障額は変わります。
- 不要な保障に高いお金を払っていないか、定期的に見直すことが重要です。
- 「なんとなく」で使い続けているサブスクリプションサービス
- 動画配信サービスや音楽サービスなど、使っていないサービスに月々数百円〜数千円を払い続けていませんか?
- 塵も積もれば山となります。使っていないサービスはすぐに解約しましょう。
プロからのアドバイス
家計のプロがまず最初に行うのは、「固定費の見直し」です。一度の労力で大きな効果を得られるため、まずは通信費や保険料といった項目から、計画的に見直してみましょう。
まとめ:家計の本質を見抜く「正しい節約」とは
「やってはいけない節約」に共通するのは、「目の前の小さな出費ばかりに目を奪われ、家計全体や将来の損得を考慮していない」点です。
本当に効果的な節約とは、我慢を伴う変動費の削減ではなく、一度見直せば継続的に効果が出る「固定費」の削減にあります。家計の本質を見抜くことで、ストレスなく、そして着実に家計を改善していくことができます。
まずは固定費の現状を把握することから始めてみましょう。堅実な家計管理は、将来の生活に安心をもたらしてくれるはずです。
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