「節約しよう!」と英語で伝えたい時、”save money” というフレーズしか思いつかない…そんな経験はありませんか?もちろん “save money” は正しい表現ですが、実は英語には、シーンやニュアンスによって様々な「節約」の言い方があります。
この記事では、日常会話からビジネスまで使える自然な英語表現を、文化的な背景と共に解説します。言葉の引き出しを増やして、あなたのスマートなライフスタイルを英語で語れるようになりましょう。
基本の「節約」を表す英単語とニュアンスの違い
まずは、核となる4つの基本単語・表現を押さえましょう。これらを使い分けるだけで、表現の幅がぐっと広がります。
英語表現 | ニュアンス | 日本語訳の例 |
---|---|---|
save money | 最も一般的で万能な表現。具体的な目標がある「貯金」と、日々の「節約」の両方の意味で使える。 | お金を節約する、貯金する |
economize (on sth) | やや硬い、フォーマルな表現。「無駄を省いて切り詰める」というニュアンス。 | 倹約する、切り詰める |
cut back on sth | 「〜(特定の支出)を減らす、削減する」という具体的な行動を指す。日常会話で頻繁に使われる。 | 〜を減らす、〜を削減する |
be frugal | ポジティブな意味合いで「質素・倹約なライフスタイルを送る」こと。我慢ではなく、賢い選択というニュアンス。 | 質素にする、倹約する |
<例文>
- I’m saving money for a new car.
(新しい車のために貯金しています。) - We need to economize on electricity this winter.
(この冬は電気を倹約する必要があります。) - I’m trying to cut back on eating out.
(外食を減らすようにしています。) - She is very frugal and always brings her own lunch.
(彼女はとても倹約家で、いつもお弁当を持参します。)
【シーン別】ネイティブが使う!「節約」関連の便利フレーズ集
次に、具体的な会話で役立つ便利なフレーズを見ていきましょう。
シーン1:家計管理について話すとき
自分の家計の状況を説明したり、やりくりについて話したりする際に使えるフレーズです。
-
live on a budget
意味: 予算内で生活する
例文: We have to live on a strict budget until I find a new job.
(私が新しい仕事を見つけるまで、厳しい予算内で生活しなければなりません。) -
tighten one’s belt
意味: 財布の紐を締める、緊縮財政をする(イディオム)
例文: With prices going up, everyone is tightening their belts.
(物価が上がっているので、誰もが財布の紐を締めています。) -
make ends meet
意味: (収入の範囲内で)収支を合わせる、やりくりする
例文: It’s becoming harder to make ends meet these days.
(近頃、家計のやりくりをするのが難しくなってきています。) -
track expenses
意味: 支出を記録する、追跡する
例文: Using a household accounting app makes it easy to track expenses.
(家計簿アプリを使うと、簡単に支出を記録できます。)
シーン2:無駄遣いを戒めるとき
自分や他人の無駄遣いについて話す際に使える、直接的・間接的な表現です。
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cut down on unnecessary expenses
意味: 不要な出費を減らす
例文: The first step to saving money is to cut down on unnecessary expenses.
(節約の第一歩は、不要な出費を減らすことです。) -
stop wasting money on …
意味: 〜への無駄遣いをやめる
例文: I need to stop wasting money on coffee from cafes.
(カフェのコーヒーにお金を無駄遣いするのをやめないと。) -
It’s a waste of money.
意味: それはお金の無駄だ。
例文: Buying bottled water every day is a waste of money.
(毎日ペットボトルの水を買うのは、お金の無駄です。) -
live within one’s means
意味: 収入の範囲内で暮らす
例文: It’s important to learn how to live within your means.
(収入の範囲内で暮らす方法を学ぶことは重要です。)
シーン3:お得な買い物をしたとき
節約の楽しみの一つである「お得な買い物」。その喜びを表現するフレーズです。
-
get a good deal (on sth)
意味: (〜を)お得に買う、良い買い物をした
例文: I got a good deal on this coat. It was 50% off!
(このコート、お得に買えたんだ。50%オフだったの!) -
It was a bargain.
意味: それはお買い得だった。
例文: Only 1,000 yen for these shoes? It was a bargain!
(この靴がたった1,000円?それはお買い得だったね!) -
buy one, get one free (BOGO)
意味: 一つ買うと一つ無料
例文: The supermarket is having a buy one, get one free sale on pizza.
(そのスーパーはピザの一つ買うと一つ無料セールをやっています。)
節約家にも色々!人を表す英語表現
「節約家」や「ケチ」など、人を表す言葉もニュアンスによって使い分けが必要です。
ポジティブ / ニュートラルな表現
- a saver: 貯金をする人。目標のために計画的にお金を貯める人というニュアンス。
- a frugal person: 倹約家。無駄を嫌い、賢くお金を使う人。尊敬の念を含むことが多い。
- thrifty: (形容詞)質素な、つましい。物を大切にし、無駄遣いをしない様子。
ネガティブな表現
- cheap: (形容詞)ケチな。単に安っぽいという意味だけでなく、お金を使いたがらない、というネガティブな意味で使われる。
- stingy: (形容詞)ケチな、しみったれた。出すべきお金さえも出し渋るような、強い非難のニュアンス。
- a cheapskate: (名詞)ケチな人。人を軽蔑して言う際に使われるスラング。
使い分けのポイント: 自分のことを謙遜して “I’m cheap.” と言うことはあっても、他人に対して “You are cheap.” と言うのは非常に失礼にあたるので注意しましょう。自分のライフスタイルをポジティブに語るなら “I try to be frugal.” が最適です。
【コラム】英語圏の節約文化 “Couponing” と “DIY”
英語圏、特にアメリカでは、節約が一種の「ゲーム」や「趣味」として楽しまれる文化があります。
- Couponing (クーポニング): 新聞の切り抜きや専門サイト、アプリなどからクーポンを集め、食料品や日用品を驚くほど安く、時には無料で手に入れる技術のこと。達人は “Extreme Couponers” と呼ばれ、テレビ番組になるほどの人気です。
- DIY (Do It Yourself): 「自分でやる」の略。家具の組み立てや修理、家のペンキ塗りなどを業者に頼まず自分で行うことで、工賃を節約する文化が根付いています。ホームセンターには多種多様なDIY用品が揃っています。
これらの文化を知ることで、英語圏の人々にとっての「節約」が、単なる我慢ではなく、知恵と工夫を凝らしたクリエイティブな活動として捉えられていることがわかります。
まとめ:英語で「節約」を語れば、世界が広がる
「節約」は、世界中の人々にとって共通の関心事です。
今回学んだフレーズを使えば、日々のやりくりを英語で話せるようになるだけでなく、海外の友人との会話のきっかけになったり、SNSで自分のライフスタイルを発信したりすることもできます。
節約というテーマは、海外の文化や価値観に触れるための素晴らしい扉です。まずは “I’m trying to cut back on unnecessary expenses.” といった簡単なフレーズから、あなたのスマートな暮らしぶりを表現してみてはいかがでしょうか。
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