「仕事で疲れて帰宅した後、一から手の込んだ料理なんて作れない。でも、外食や惣菜ばかりでは食費がかさんでしまう…」これは、多くのご家庭が抱える共通の悩みです。節約と、日々の調理の負担軽減を両立させるのは、至難の業のように感じられます。
しかし、ご安心ください。食費の節約は、たくさんの難しいレシピを覚えることではありません。いくつかの「簡単で使い回せるパターン」を知るだけで、誰でも無理なく、美味しく、そして驚くほど食費を抑えることが可能です。
この記事では、家計のプロが厳選した「簡単・節約レシピ」を生み出すための3つの黄金パターンを、具体的なレシピ例とともにご紹介します。
その前に!これさえあれば何とかなる「節約の優等生」食材リスト
ご紹介する黄金パターンを最大限に活かすため、安くて汎用性が高く、家計を力強く支えてくれる「優等生」な食材を常備しておきましょう。
- タンパク質源: 鶏むね肉、豚こま切れ肉、卵、豆腐、厚揚げ、サバ缶、ツナ缶
- 野菜類: もやし、きのこ類(しめじ、えのき、舞茸)、キャベツ、玉ねぎ、豆苗
- 炭水化物・その他: 冷凍うどん、パスタ、春雨、油揚げ
これらの食材を中心に買い物をすることで、無駄なく、様々な節約レシピに応用できます。
黄金パターン1:「重ねて、蒸す・煮るだけ」魔法のほったらかし調理
調理工程で最も手間なのが、複数のフライパンや鍋を使い、付きっきりで火加減を見ること。このパターンは、鍋やフライパン一つに材料を重ねて火にかけたら、あとは「ほったらかし」で完成する魔法の調理法です。
【コンセプト】
- 使う調理器具は一つだけで、洗い物が少ない。
- 火にかけている間は自由時間になり、他の家事ができる。
- 食材の旨味が凝縮され、少ない調味料でも美味しく仕上がる。
レシピ例①:豚バラともやしのうま塩重ね蒸し
1人前 約120円
節約食材の王様「もやし」をたっぷり使った、ヘルシーで満足感のある一品です。
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材料(2人分)
- 豚バラ薄切り肉:150g
- もやし:1袋(200g)
- 酒:大さじ2
- 鶏がらスープの素:小さじ1
- 塩、こしょう:少々
- ポン酢、ごま油:お好みで
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作り方
- フライパンの底にもやしを平らに敷き詰める。
- もやしの上に、豚バラ肉を重ならないように広げて乗せる。
- 鶏がらスープの素、塩、こしょうを振りかけ、酒を回し入れる。
- 蓋をして中火にかけ、5〜7分ほど、豚肉に火が通るまで蒸し焼きにする。
- 火を止めて全体をさっと混ぜ、器に盛る。お好みでポン酢やごま油をかけて完成。
黄金パターン2:「万能だれ」で和えるだけ・炒めるだけ
味付けが毎回ワンパターンになったり、面倒に感じたりすることはありませんか?あらかじめ数種類の「万能だれ」を作っておけば、どんな食材も「和えるだけ」「炒めて絡めるだけ」で、味がピタリと決まります。
【コンセプト】
- 味付けの失敗がない。
- 調理時間を大幅に短縮できる。
- 焼いた肉や魚にかける、温野菜と和えるなど、応用範囲が非常に広い。
まずはこれを常備!2つの「万能だれ」
A:甘辛てりやきのたれ
【材料】醤油:大さじ3、みりん:大さじ3、酒:大さじ2、砂糖:大さじ1
【作り方】全ての材料を混ぜ合わせるだけ。
B:中華風ねぎごまだれ
【材料】醤油:大さじ2、酢:大さじ1、砂糖:小さじ2、ごま油:大さじ1、すりごま:大さじ1、長ねぎのみじん切り:大さじ2
【作り方】全ての材料を混ぜ合わせるだけ。
レシピ例②:鶏むね肉のしっとり甘辛てりやき
1人前 約140円
パサつきがちな鶏むね肉も、片栗粉をまぶすひと手間で驚くほどしっとり仕上がります。
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材料(2人分)
- 鶏むね肉:1枚(約250g)
- 片栗粉:大さじ2
- サラダ油:大さじ1
- 万能だれA(甘辛てりやきのたれ):大さじ3〜4
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作り方
- 鶏むね肉は厚さが均等になるように開き、フォークで数カ所刺す。一口大のそぎ切りにする。
- ポリ袋に鶏むね肉と片栗粉を入れ、口を閉じてよく振り、全体に粉をまぶす。
- フライパンにサラダ油を熱し、鶏むね肉を並べ入れ、両面に焼き色がつくまで中火で焼く。
- 弱火にし、万能だれAを回し入れて全体に絡ませたら完成。
黄金パターン3:「具沢山」で一品完結!満足スープ&麺
「主菜と副菜と汁物…」と考える余裕もないほど疲れた日は、栄養満点の一品完結メニューに頼りましょう。タンパク質と野菜を一つの鍋や丼に詰め込むのがポイントです。
【コンセプト】
- 一品で栄養バランスが整う。
- 考える手間が最小限で済む。
- 冷蔵庫の余り野菜を一掃できる。
レシピ例③:サバ缶とキャベツのトマトパスタ
1人前 約180円
下処理不要で栄養価の高いサバ缶は、節約レシピの救世主です。
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材料(2人分)
- パスタ:160g
- サバ水煮缶:1缶
- キャベツ:2〜3枚
- 玉ねぎ:1/4個
- カットトマト缶:1/2缶(約200g)
- にんにく(チューブ):3cm
- オリーブオイル:大さじ1
- 顆粒コンソメ:小さじ2
- 塩、こしょう:少々
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作り方
- キャベツはざく切り、玉ねぎは薄切りにする。パスタは袋の表示通りに茹で始める。
- フライパンにオリーブオイルとにんにくを入れて弱火で熱し、香りが立ったら玉ねぎを加えて炒める。
- 玉ねぎがしんなりしたら、キャベツ、トマト缶、サバ缶(汁ごと)、コンソメを加え、キャベツが柔らかくなるまで煮る。
- 茹で上がったパスタをフライパンに加え、ソースとよく和える。塩、こしょうで味を調えたら完成。
まとめ:節約レシピは「パターン」で覚えるのが賢い
毎日の食事作りを「簡単」で「節約」できるものに変える秘訣は、レパートリーの多さではなく、いかに楽ができる「パターン」を知っているかです。
今回ご紹介した3つの黄金パターン「ほったらかし調理」「万能だれ活用」「一品完結メニュー」は、どれも節約の優等生食材を使い、少ない手間で作れるものばかりです。まずは一つのパターンを試してみて、「これなら続けられそう」という成功体験を掴むことが、節約生活を長続きさせる何よりの秘訣です。賢いレシピの型を身につけて、日々の料理の悩みと家計の負担を、一気に軽くしてしまいましょう。
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